ホッピーマラソン完走(感想)

貧乏人の私は通称、小便横丁やたぬき小路などと言われるような路地にある、破れかけの赤提灯がぶら下がっているような飲み屋が好きである。そんな飲み屋もバブルを機に随分減ったような気がする。今でもたまにそんな匂いのする店に行くと必ずホッピーを飲む、多分それが性に合っているのだろう。そんな私が火の玉通信どのに薦められて読んでみたホッピーマラソン。私の好きそうな店がやたらと出てくる。うちの近所にもあったらいいのになぁと思えるようなお店である。しかしそんな店がもし近所にあったとしても多分自分は行かないだろうと思う、何故ならばもし一人でゆったり飲めるような店に行くようになったら、元来人見知りな私はもっと人見知りになってしまうし、もし自分が常連にでもなってしまったら、お店に気を使うはめになって、最初のゆったり感がなくなってしまうからである。つまるところ私は遠くから見ているときの破れかけの赤提灯の店に、気まぐれに入って一見の客としてホッピーを飲むシチュエーションが好きなのである。そんな私の好きな飲み方をそのまま実践している実に羨ましい本であった。